声 (56)

 祖父王の寝室は王宮の奥まったところにある。
生誕祭を1週間後に控えたことで養育院は冬期休暇に入り、東側から差し込む光は山々の光を反射して目に痛いほどに廊下の隅々を照らしていた。
今日は生誕祭前の最後の謁見の日であり、タカネのデビューを祖父王に正式に表明する場でもある。表明、などと大仰な事を行ったところで祖父がベッドから立ち上がることなど最早出来まいというのは王宮内のほぼすべてに認識される共通事項であり、癌と診察された祖父王の腕は前回の謁見の際はすでに骨と皮しか残っていなかった。
セレン鉱山が発見された当時は炭鉱夫と肩を並べて鶴橋を振るった偉丈夫だったという話だが、タカネが物心つくころにはすでに病巣は体のいたるところに転移していたのだという。
よって、タカネが正式に謁見するようになったころの祖父王は重要な会議にもベッドから半身を起こして対応するようなありさまで、タカネは今に至るまで終ぞ元気なお爺ちゃんなるものを見たことがなかった。
そして、今も昔もどこもかしこも老人の病気の特効薬と言うのは孫の顔を見ることで、おまけにデビューの正式な発表と言う事もあり、タカネが今着ているのは生誕祭当日に着用を予定しているドレスである。
腰帯にでっかいリボンがあり、ボア付きの襟もとはくすぐったい事この上なく、こんなものを着てふらふらへらへらしている母は頭だけではなくて体もどこかネジが飛んでいるのではないかと思う。

 門番のような侍従が開けた扉の向こうには先客がいた。
「父上」
 驚いた声に父はそれまで祖父に向けていた顔をあげ、
「お、貴音か。…何だ随分おめかししたじゃないか。お義父さん貴音が来ましたよ、起きれますか?」
 驚いた。謁見という正式な場で父の姿を見るのは珍しい。
これまでにも何度かあった謁見の場で父を見たことは数えるほどしかなく、父はこういう場が嫌いなのか大抵は出張をぶつけたり体調を崩したりなどと言ったサボリをかますのが常だった。
が、謁見をさぼるくらい父は祖父が苦手なのかと言えばさにあらず、若いころの祖父はよく父と一緒に酒を飲んだり街に出たりしていたらしい。
要は父が堅苦しい場が嫌いなのだと思う。その証拠に『謁見』のはずなのに従者は部屋の中に一人もおらず、室内には父と祖父の二人しかいなかった。
 父に起こされた祖父はベッドの天板に背中を預け、それまで閉じていた目を薄らと開き、こちらには聞こえないくらいの小さな声でぼそぼそと何かを呟いた。
もう多少の声も出ないくらいに衰弱してしまっているらしい。王族の実務の類は父と母が代行して行っているからそれほどの停滞はないが、それを抜きにして自分の祖父が弱っているのを見るのはなんだか居心地が悪かった。
「貴音、お爺ちゃんがもっと近くで見たいって。しかしそれにしても随分綺麗なの着たね。これあれ? デビューのときに着る奴?」
「はい。デビューの前に、お爺様に一目ご覧にいれなければと」
 父はそれまで座っていた椅子を立ち、タカネに椅子を譲ってくれた。
黙って座ると嫌が応にも祖父の腕に刺さった点滴の針が目に入る。祖父は目を開けるだけ開いてタカネの顔をまじまじと眺め、やがて嬉しそうに眼を細め、蚊の飛ぶような声を喉奥から絞り出して、やがてそれも声にならないと自ら悟ったのか点滴の針が刺さった腕でタカネの頭を撫でた。
皮までそげ落ちたまるで骨のような手が一通り頭を撫でてベッドに落ちると、タカネは本来の目的を果たすべく椅子から立ち上がり、腰から広がるスカートをつまんで礼儀正しいお辞儀をした。
「王様。アルテモンド国第一王女タカネは、この生誕祭を持ちましてデビューいたします」
 祖父が声を出さずに頷いたのを、気配だけで感じ取った。
タカネは頭を下げたまま、母から教えられた口上を口にする。
「見届け人はアルテモンド王女、献上歌は『アメイジング・グレイス』にてございます。どうか王におかれましては、この粗忽者がデビューいたします事を鷹揚にご覧いただければ幸いに存じます」
 本来の『謁見』であれば、この後は傅くタカネの肩に王が手を置いて、「汝に今後とも幸いがある事を」的な事を言う。
が、祖父はいつまで経ってもそのような行動を起こさず、恐れ多くもタカネが顔をあげたとき、お爺ちゃんは本当にうれしそうな表情でタカネをじっと眺めていた。

「凄いな。あの口上は誰に習ったんだ?」
 父と食事を共にするのは随分久しぶりのような気がする。
豪奢な飾り台付きの食卓にはこの時期に高い野菜類が並び、肉類は時節柄なのか鶏肉がこんがりと湯気を立てている。
まだ日も明るいのに食卓のど真ん中には5爪槍の穂のような蝋燭立が立っており、タカネと父は2人で座るには広すぎる食卓の隅の方でナイフとフォークを巧みに操っている。
「昨晩母上に特訓されました。これも王女の務めであるから粗相のないように、と」
「…まあ、お母さんが教育熱心なのは今に始まった事でもないか…」
 父の言う通り、4歳から始まった家庭教師のスパルタ英才教育の発端は母の一声である。
タカネちゃんは将来この国の代表になるんだから小さいころからお勉強はしておいた方がいいと思うのー、と言いだした母の頭のネジが真に残念なのは最早怒りも湧いては来ないが、父はどうやらタカネの早期教育には消極的反対をしていたらしい。
父のその態度は数少ない父娘のふれあい時に発揮されており、ちょっと前までは最近勉強楽しいかとかスポーツは何が好きかとかクラスに好きな子はいるかなどの質問をよくされた。
「一応ね、父さんも生誕祭の日は一日中こっちにいられるから。父さん貴音の歌は今まで聞いた事ないからな、楽しみだよ」
 父は母に代って外交の柱のような仕事をしている。タカネが父と食事をともに出来ないのは父が仕事柄年がら年中海外を飛び回っているからで、生誕祭などという広域な行事の際はアルテモンド大使として例年どこか海外に出張していた。珍しい事は続くものだとタカネは思う。
「お仕事はよろしいのですか?」
「父さんの生まれた国には父兄参観ってのがあってね。自分の子供が普段学校でどんな事してるのか見るって行事があるんだ。そういう時はどんなオヤジでも仕事サボって子供見に学校行くものなの」
「お仕事をふいにしてまで見ていただくこともないと思いますが…」
「そういうときは無理してでもお父さんありがとうくらい言いなさい。貴音肉食べろ肉、好き嫌いは良くないぞ」
「食べています。ところでガッコウと言うのは養育院のようなものなのですか?」
 父が母に惚れた理由はビタいち分からないが、母が父に惚れた理由はタカネとしてもぼんやり分かる。
父の話にはタカネの知らない様々な単語が出てくるし、タカネがそれに対して問うと父はいつも応えてくれ、タカネが分からないと言えば分かったかどうかはさておいて満足するまで教えてくれた。
要は物を知っているのだと思う、お仕着せで詰め込み型の家庭教師の授業はつまらないものが大半だったが、父との会話で学ぶことはどれもこれも面白かった。
 そんな父なら、母のあの言葉の真意も分かるのかもしれない。タカネは自然にそう思った。
 母の衝撃のカミングアウトからの1週間は、タカネにとっては自問自答の日々だった。
母の言い分はもちろん良く分かる。「責任の所在において決定者は常に孤独」というのはタカネの10年の今までを振り返っても確かにそうだったと思う―――責任の大きさは棚に上げるとして。
自己に対するどのような決定も最終的には自分の責任において決められるものであり、身近なもので言うのであれば、例えばバートナー菓子店の娘が持ってきたケーキを隠れてつまんで体重が重くなったように感じるのは「甘いものを食べればもちろん太る」と言う事を知っていながら食べてしまった自分に責任があるのだ。母の話も、本質的にはこれと全く同じだと思う。
ただ、母の場合は太ったどころではなくまさしく人の生き死にや国の将来の在り様を自分の責任で決めることになるのだ。国の将来を決めるのはまさしく為政者たる王様の仕事であり、決定者を王様という文言に置き換えれば「王様は常に孤独」となる。
ところが、誰だって人の生き死にを決めるのは嫌に決まっている。実際に誰かがひどい目に遭ったら「あいつのせいだ」と言われるに決まっており、そして後ろ指を指されることに快感を覚える奴など居はしまい。
だが、母は「王様」として、ひょっとしたらいつかどこかで「あいつが全部悪いんだ」と言われるかもしれない決定を下さなければならない。
 穿った考え方をすれば、誰かに相談すればいいじゃないか、という意見も出よう。
では、実際の問題にあてはめたとき、「将来の100人を助けるために明日の1人を見殺しにする」という相談を一体誰にすればいいのか。
例えば親しい人にしたとする。家族、恋人、友人、誰でもいい。その相談した成果としての実行の結果が例えば後ろ指を指されるような結果に終わった時、果たしてその王様は「だってこの人と相談したんだもの、私は悪くない」と言えるだろうか。
仮に言ったとすれば、一体だれが「責任」を取るのだろうか。どんな言い訳をしたところで王様は当然取らざるを得ないだろう。では、その相談をされた親しい人は無罪放免になるのだろうか。
 ここまで考えたのが一昨日の晩で、その晩は王様の余りの罰ゲームぶりに怖気がさした。
王様だって頑張っているのだと思う。国を良くするために頑張って、自分の決定がどんな紆余曲折を経るにせよ国を良くするものだと信じて、あるいは100年後の自分の国の事を思ってその一人に「明日死んでくれ」と言うのだと思う。
それでも、考えて考えて考えて、誰にも相談する事が出来ずに考えて、ネジが飛んで頭がアレになるまで頑張って、それでももし予想外の出来事が起きて残念な結果に終わったとしたら、「全部お前のせいだ」と言われるのだろうか。
 それは、余りにも孤独過ぎはしないか。

「ふぅん。お母さんがそんな事言ってたんだ」
「はい。…私にはとても恐ろしい話に思えました」
 食いつくされたチキンはすっかり骨だけになり、食事終わりに侍女が持ってきたホットミルクを飲み尽くし、母の言い分とタカネの考えをたどたどしくも全て伝え終わると、父はそう言ってふーんと相槌を打った。
父はどうやらタカネの意見と母の考えをうまくまとめようと頭を動かしているようであり、タカネの言葉を尻切れに父と娘の会話は5分ほど中断する。
いつまでたっても食堂から出ようとしない王族二人に何度か侍女が「コーヒーのお代わりはいかがですか」とか「ホットミルクのお代わりはいかがですか」と言ってきたが父娘揃って首を振り、やがて水牛のような鼻息を吹いた父はぽつりとこんなことを言いだした。
「父さんの友達にさ、やっぱり今のお母さんみたいなことを言ってたやつがいてさ」
「父上のご学友ですか?」
「うん。…でも学友ってほど格式ばったもんでもないな、大学時代に一緒に映画作ってたやつなんだけど」
 父がそのダイガクとやらでエイガなるものを作っていたというのは良く聞く話であった。
小さいころのタカネが夜眠れないで何か話をしてくれと父にせがむといつも出てくる話だ。どうやらダイガクというのは養育院の最高レベルのもののようであり、エイガというのはシャシン(これもどんなものか良く分かっていないが)が動くものらしい。
一度エイガなるものを見たいと言った記憶があるが、いずれ見ようねという強制力のない約束をして今に至ってしまっている。
「お父さんたちが大学を卒業した後にね、お父さんは家でやってたお仕事を継いで、そいつは自分で会社を立ち上げたんだ。映画作るのが楽しかったんだと思うんだけど、まあ色々紆余曲折があって芸能事務所を立ち上げてさ」
「ゲイノウジムショとは何ですか?」
 今にして思えば、テレビに対する知識がない子供に芸能事務所の仕事を説明するのは流石の父でも難しかったに違いない。
よって、父はこの時貴音に向かって「その映画に出てくる役者さんの元締めみたいな会社」とだけ言い、
「その会社はね、元締めとしていろんなところに人を派遣するような仕事をしてたんだ。貴音みたいに皆の前で歌を歌う人を派遣したり、俳優を派遣したり、漫才みたいなことをして人に笑いを提供したり、」
「私の様に?」
「うん。でもまあ貴音がやるほど格式の高いものじゃないけどね。日本ではアイドルって言うんだけど―――まあでも、やる事は貴音と大して違いはないかな。歌って踊って明日の活力を聞いてる人にあげる仕事」
 そのアイドルなるものがどんな事を生業にするのかは分からなかったが、タカネは「はぁ」とだけ相槌を打った。
今は父の友人だという起業人の話であって、そのアイドルなるものが一体何をしているのかは話の埒外である。
「話を戻すよ。で、その友達は自分の会社にそれこそ自分の全てを捧げるような仕事をしてた。会社もそれなりに大きくなって、大きな仕事も舞い込むようになってきた。会社が大きくなるってことはそこで仕事をする人も増えたってことだ。そいつは、いつの間にか何百人って人たちの頂点に立って、その人たちの生活の事も考えなきゃならないようになっていった」
 要するに、その友達は今のお母さんみたいな状態になったってことだね――と父はつなげた。
国でもない単なる会社が数百人規模と言うのは随分大きな話だなと思ったが、井の中の蛙大海を知らずである。この広い世界にはそういうこともあるのかもしれないと、タカネは無理やり納得することにした。
「で、ところがそいつはそういう会社の頂点にたってもまだ本質は『この会社は自分が立ち上げた小さな会社だ』っていうスタイルを崩さなかった。そいつの中ではやっぱり親玉は自分で、自分の事を『社長』って言って慕ってくれる連中にとって一番いいのは一体何だってずっとずっと考えて、ある日ノイローゼみたいになった」
「ノイローゼ?」
「貴音が言ったようにね。自分が連中の責任を持たなきゃならない。会社の規模が大きくなればそりゃあ洒落にならない事をする奴も出てくる。あるいは競争の中でどうしようもなく切り捨てなきゃならない連中も出てくる。そいつらに『会社を辞めてくれ』って言ったらどうなる? そいつ以外の何百人は今までと同じようにご飯を食べていける。でも、『辞めてくれ』って言われた人は明日のご飯も分からないような状況になっちゃう。でも、そいつを切らなかったら、やがていつか会社自体が共倒れになっちゃうかもしれない。そいつはそういう状況でいつも悩んで悩んで悩んで、遂に胃に穴が開いたような感じになっちゃって―――」
 要は、規模は違えどその友人なる人物は母と同じような状況になったのだろう。
母の場合は頭のネジがアレな感じになり、その友人は胃に穴が開いたのだろうと思う。
「母上と同じような状態に?」
「うん。でもね、そいつがラッキーだったのは、一緒に映画を作ってた仲間が見かねて会社に合流してくれたことだった。結局そいつは穴が空いてるのが検査で見つかって入院したんだけど、病室まで見舞いに来た仲間に言われたんだってさ、『やっぱりあたしがいないとダメねぇ』って」
「その仲間、というのは、女性の方だったのですか?」
「うん。映画研究会の女優役。で、ここからが面白いところだ。そいつは何とか退院して仕事に戻ったんだけど、それ以来そいつを昔から知ってたお父さんたちも驚くような決定をばんばんするようになった。勿論その中で首を切られた連中も出た。でもそいつは決定を緩めるような事はしないで、やがてその業界で一番売れてる会社になった」
 ネジが飛んだら怖いものなどなくなるという話なのだろうか。
タカネが首をひねっていると、父もどうやらタカネと同じように考えたのだろう、続きを話し始めた。
「父さんも不思議に思った。で、ちょっと前に日本に戻った後に聞いてみた。あれだけ決定を恐れていたお前が、どうしてそこまで変わったんだって。そいつ、なんて答えたと思う?」
 タカネは考える。
今の話の流れなら恐らく、その友人の変わりようには見舞いに来たという女性が何枚か噛んでいる。という事は、女性に何かを言われたか、あるいはされたという事になる。
が、自分の話が発端で父がこの話を始めたという事は、女性が「相談に乗ってくれた」というのは答えにならないと思う。
タカネが答えを探しあぐねていると、父は穏やかに笑って答えを口にした。
「『もしあなたの決定であなたが刺されるんなら、私も一緒に刺されてやる』って言われたんだってさ。それで、怖くなくなったんだって。―――なあ貴音、父さんの言いたいのはな、」
 父は目に穏やかな光を浮かべたまま言葉を紡ぐ。
「決定者は一人だ。それはお母さんの言う通りだ。決定者は責任を持たなきゃならん。それはどこの世界でも同じなんだ。でもな、」

 後になって思えば、貴音が父とまともな会話をしたのはこれが最後となった。
 今にして思えば、これは父の遺言であった。

「でもな、きっとどこかにお前が信じるに値する人はいる。貴音の事を信じて、最後まで支えてくれる人はきっといる。お前と一緒に心中してくれる人はいる。だから貴音、お前は一人じゃないんだ」
 それはつまり、母もまた一人ではないという事なのだろうか。一緒に心中してくれる人がいるという事なのだろうか。
「母上の場合は?」
「そん時は父さんが腹括るよ。しょうがないだろ」
 これが世に言う惚気と言う奴なのだろうか。
父は照れ臭そうに笑っており、娘としては心中複雑なものが少々渦巻くが、それでもなお父の話が本当なのだとしたら、母はやはり父の存在にどこか救われているのだという事になる。
 
 王様は孤独なのかもしれない。
 でも、決定者は孤独ではないのかもしれない。
 それは、タカネの心中に暗い影を落とした王様の孤独を癒す、一筋の光明なのかもしれない。

「…素敵な、お話ですね」
「いやまあ、父さんも友達からその話を聞いたときはどうかと思ったんだけどね。蓋を開けたら父さんもそうなった。だから貴音、貴音もいつかきっとそう思える人と会えるよ。父さんが保証する」
 父の笑みはこの1週間の不安を解消させるには十分だった。タカネはようやく心からの笑みを浮かべ、ドア前に侍る侍女に向かってホットミルクのお代わりを頼む。
難しい話をしていた王族二人の空気が緩んだのを見たのか侍女もまたほっとした表情を浮かべ、パタパタと足音を鳴らしてカップを持って行った侍女の背中を前にタカネはガードの緩んだ質問をした。
「ところで、父上の言うそのお友達は、何と言うお名前なのですか?」
「?」
「いえ、私もいつかは王族として国外に出ることもあるでしょうし、その際にもし日本に行くことがあれば、是非その方とお話をしてみたいと」
「ああ、そういう事か」
 そして父は、何のヒントにもなりはしないその「友達」の名前をこう言った。
「その時にもし貴音が今の話を覚えてたらな、そいつのところに連れてってやる。高木(・・)って言うんだけどな」




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